3.耐力壁
耐力壁
〇地震や強風などの水平力に抵抗する壁の事を耐力壁といいます。
〇軸組だけでは水平力に抵抗できないため、耐力壁を設けます。
〇耐力壁には筋かい耐力壁と面材耐力壁があります。
〇耐力壁のもつ水平抵抗力を合算したものが、建物全体の水平抵抗力となります。
〇水平抵抗力が建物全体に作用する水平力を上回るように、耐力壁を配置します。
〇木造住宅では地震の水平力に対して、瓦葺きなどの重い建物とスレート葺きや金属板葺きなどの軽い建物に分けて必要壁量を規定して
います。
〇稀に起こる地震に対しては損傷せず、ごく稀に起こる地震に対しては、倒壊せず人命を守るのが建築基準法の定める基準です。
筋かい耐力壁
〇筋かいは、軸組の対角をつなぐように設ける部材で、主に木材を用いります。
〇1つの軸組に2本交差するように設けるものを「たすき掛け」といいます。
〇また、筋かいを片掛けにした壁に水平力が作用すると、筋かいには引張力または圧縮力が生じます。
〇引張筋かい、対角線が伸びる方向にあるため、釘打ち程度ではすぐ抜けてしまうため、専用の金物で留めつけます。
面材耐力壁
〇構造用合板や石膏ボードなどの面材を、横架材と柱・門柱に釘留めした壁を面材壁といいます。
〇耐力は、面材自体のかたさと、面材を留め付ける釘の径や間隔で決まります。
〇面材を釘打ち機で留める場合は、機器の圧力を調整して釘頭が面材に食い込まないようにします。
〇面材の外周から釘までの端あき距離を確保します。
耐力壁の配置
〇耐力壁は建物にねじれが生じないように、バランスよく配置しています。
〇建物の重心とかたさの中心の剛心とが、できるだけ近づいている状態がバランスがよいです。
4.接合部の補強
〇接合部は、部材が負担した力を他方の部材に伝達する役割を持ちます。
〇接合には、柱と梁をつなぐ「仕口」と梁と梁のように同一方向部材とつなぐ「継手」があります。
〇仕口・継手は地震等の揺れで外れないように金物で補強します。
〇釘やビス・ボルトを用いて固定します。
①ホールダウン金物
ホールダウン金物は柱と基礎を緊結したり、1.2階の柱をつなぐ金物です。
②山形プレート
土台と柱、梁と柱をつなぐ金物です。
③羽子板ボルト
梁と梁をつなぐ金物です。
④筋かいプレート
筋かいが外れないように柱や梁・土台とつなぐ金物です。
〇金物接合は、ボルトやドリフトピンで荷重を伝えます。
おうちの知識!!次回は構造の考え方についてお伝えいたします。